Tuesday, September 24, 2013

今やってること。NTCの発端とバレエの訓練。

わたしが今学んでいるバレエ教授法、ABTのNational Teaching Curriculum(NTC)について。

とにかく授業が始まってからの3週間ほぼ毎日のように言われているのが、Training should be simple and classic. Style is something you learn and add on later.ということ。バレエの訓練では、ケーキのスポンジ部分をしっかりと作る。スポンジができたら、クリームである「スタイル」を塗って完成。でも違うクリームも塗ることができるから、どんなケーキでもできるようにしよう、ということ。たとえばのはなし。

おそらく世界中で見られることだとは思うけれど、特にアメリカでは、バレエのスタイルの影響の大きさ、存在の大きさは他の比じゃないのではないかと思う。

ただ問題はそのスタイルあるいはメソッドがどれだけauthenticなのかということ。どれだけ本物か、というのは、ただ単に「本家のオリジナルじゃないから偽物でよくない」ということが言いたいのではありません。いわゆるスタイルやメソッドが独り歩きすることは、バレエの世界ではかなり頻繁に見られること。特に自分の師から教わったことは「絶対」という暗黙の了解がバレエ界にはあるから余計です。

たとえば、ある振付家が同じ作品でもダンサーが変われば、そのダンサーに合わせて振付も変えたり、そのダンサーに合わせたアドバイスを与えていたとします。ところが、振付家の影響力・存在が大きすぎたがために、あるダンサーの特徴に合わせて言ったアドバイスが教典化されるというケースもあります。当たり前ですが、身体や動きの特徴は人それぞれ。特定の人へのアドバイスが、万人に当てはまるわけではありません。

こうしたアドバイスがスタイルやメソッドとして教典化されることが、なぜ訓練において問題なのかといえば、しっかりとした骨組みの形成よりも表面的な部分が強調されてしまうから。

作品を踊る上では、歴代のダンサーの踊りを研究して、真似をして、芸を磨く、というのは必要となることですが、訓練では話が違います。

正しい訓練を受けたプロのダンサーは、技術の基礎ができあがった上で、自分のテイスト、スタイルや芸といったものを編み出したり、他のダンサーや振付家のスタイルを習得していきます。しかし、きちんと基礎ができる前のダンサー(あるいは習得者)が、いわゆる見栄え重視の「飾り」となるスタイルに重点がおかれた訓練を受けたらどうなるでしょう。結果としては、自分のバレエのベースとなる基礎がないために「土台のない家」のようなことになります。現実的な問題として、技術的な基礎が正しく習得できていないと怪我(急性・慢性どちらも)にもつながります。

バレエには、いくつかの流派(school)があり、伝統的なものでいうと、ロシアのワガノワ、イタリアのチェケッティ、フランスの3つが挙げられます(ブルノンヴィルは特殊だからおいときます)。それぞれが異なる文化圏で形成された流派なので、顔の付け方や手の形など異なるところがあります。しかしこうした違いは、それぞれの流派の美学・哲学など、根底に流れるものに基づいて形成されたものであって、そのコンテキストから外れて生まれたものではありません。

畑は違うけれど、世阿弥も同じようなことを言っています。手元に伝書(『花鏡』)がないので正確な引用はできませんが、わたしが修論に書いた内容からすると「いきなり名人の真似をしてはいけない。名人を真似るのは師匠についてしっかりと稽古を積んでから」ということ。名人は、基本の「型」というものをそのまま演じるわけではありません(それじゃつまらないし、名人じゃない)。型を崩しているのかもしれないし、型どおりよりも控えめに演じているのかもしれない。けれども、それは型を習得したうえでの演技であって、その名人の演じている「形」だけを素人が真似ても、土台となる型ができていないから、真の芸にはならない、ということ。ましてやその「形」が訓練や稽古のベースとなっていたとしたら、どうでしょう。

こうした問題に着目して、きちんと訓練された、健康なダンサーを育てるにはどうしたらいいかということを追求していって出来たのがABTのNTCとなるわけです。

ABT創設メンバーはチェケッティの教え子や孫弟子だったため、カンパニーの歴史やアイデンティティを考慮した上で、NTCではチェケッティの用語が使われています。それでもチェケッティの指導法をそのまま試みているわけではありません。この動作はどこから来ているのか、初めてやったのは誰なのか、誰がこうすると決めたのか、流派でどう違うのか、何が「独り歩き」の結果として定着したもので何がauthenticなものなのか、などなど。このカリキュラムをつくるにあたってカリキュラムの創設者たちが網羅したバレエ教授法や歴史に関する文献や情報量はハンパじゃない。「このエクササイズはパリ・オペラ座、これはワガノワの」というものもちらほら。前の記事にも書いたけれど、カリキュラムを組み立てた1人はオペラ座で訓練を受けたダンサー。彼らが師事していたAlla Osipenkoはワガノワの最後の弟子のひとり。とにかくコネもすごい。2008年に始まったばかりのものなので日本はもちろん、アメリカでもまだあまり知られていない。かといって、突然作られたものではなく、彼らが以前教えていたプライベートのバレエ・スタジオやバレエ学校で得た経験と知識と一緒に相当な年月をかけて形成されたカリキュラムなのです。

カリキュラムは、実際のレッスン内容だけでなく、メディカルの専門家も招いて作られたもの。解剖学的に一番無理なく効率よくできる方法についてはもちろん、生徒の年齢によって異なる発達状態にも注目した指導法。例えば、5、6歳まではロジックはもちろん、まだ人間として必要な能力が発達しきっていないから、本格的なバレエのレッスンはもっと後になってから、というのもその1つ。思春期の生徒たちにはどのようにアプローチするべきか、ということも触れます。

とりあえず、こんなことを勉強しています。今は学んでいるレベルのレッスンを受けて、その内容のポイントや重要性についてのレクチャーを受けています。たまに解剖学や音楽(ピアニストさん)のレクチャーなんかもあります。


こうして文字にしてみると、今までやっていた研究と重なる部分があることに気づいたりして面白い。これでまたバレエに限らず学校における舞踊教育なども含めた教育理論の授業と合わせて考えると矛盾点が出てきたりしてさらに面白い。課題ばかりに追われていてもしかたないので、たまにはこうして振り返ったりしながらライフワークである「舞踊と人間の関係」について考えてるのも必要だなと実感。

ざっとした概要なので、本当はまだまだ言いたいこといっぱいあるのですが、今日はここまで。

Thursday, September 19, 2013

Fashion meets Ballet: NYCB Fall Gala 2013

今日は舞台記録*をかねて、わたしの大好きなNYCBのご紹介。
New York City Balletはアメリカの大きなバレエ・カンパニーのひとつで、リンカーン・センターが本拠地。1948年に振付家George BalanchineとLincoln Kirstein(プロデューサー兼キュレーターのようなことをしていたすごい人)が設立。バランシンは、アメリカのバレエを築いたと言っても過言ではないほど。日本には5年ぶり(かな?)で10月にツアーに行くのでお見逃しなく!笑 

実は先日のシーズン・オープンの公演(17日)の「白鳥
の湖」も観に行ったのですが、今回はガラについて。
Fall Galaは、有名デザイナーとのコラボレーションでNew York City Balletの秋のシーズンを明けて、カクテル・パーティーとディナーがリンカーン・センターの劇場のホワイエで行われる大イベント!わたしはただ新作バレエが観たいから行ったのだけど、本当に豪華!パーティーやディナーは寄付金集めもかねたイベント。

去年はValentinoが衣装をデザインした新作やバランシンのRubiesの衣装のre-designがありました。このGalaの実行委員会がまたすごくて、Sarah Jessica Parkerをはじめ、わたしでも知っているデザイナーや役者などが名を連ねる豪華ぶり。

今年は、ぜいたくにも3作品がworld premiere。

ひとつは、ここ近年振付で活躍し、NYCBのソリストでもあるJustin Peckによる新作 Capricious Maneuvers。多分わたしとそんなに年齢変わらないくらいの若い振付家なのだけど、NYTでも評判よかったので、ずっと見たかった振付家のひとり!Peckの作品はPrabal Gurungによるデザイン。
http://www.youtube.com/watch?v=NIDtLd7oEYE

動きとフォーメーションが抜群。きまぐれCapriciousという言葉がぴったり。音楽の雰囲気もだし(というか音楽からインスピレーションを得ているんだとは思うけど)、動きのちょっとしたニュアンスとその形の美しさが気持ちいい。爽やかな印象で、ちょっとユーモラス。ようするに、わたし好み笑 ただ衣装はこれじゃない方がいいんじゃないかとか思ってしまった…苦笑 ハーネスの黒い線はなくてよくないか?と思ってしまう笑 でもPeckはこれからが楽しみ!


ふたつめは、映画Black Swanでもおなじみ(なのか?)の振付家Benjamin Millepiedによる作品Neverwhere。ナタリー・ポートマンの旦那さんでもあり(わたしは見かけなかったのだけれどナタリーも会場に来ていたそう!)、パリ・オペラ座の次期芸術監督でもあります。彼の作品を見るのは多分今回が初めて。デザイナーはIris Van Herpen。黒のプラスチックっぽい素材を蛇腹っぽくしてみたりと、とてもカッコいい。というか、よく考えるなぁ!と脱帽。
http://www.youtube.com/watch?v=40FLJ3_TtBo

衣装があまりに奇抜なのでどんな感じになるのだろうかと思っていたけど、セットと照明の効果と彫刻みたいにダンサーたちで作り上げる空間が絶品。照明があたって黒光りするダンサーたち。女性ダンサーはブーツをはいているみたいに見える!新鮮。動きはPeckの方が面白いんだけど(あくまで主観)、空間の作り方がミルピエは素敵。時間のひっぱり方も、香水の宣伝でも見ているような気分。あれは映像に撮っても映えるんじゃないかと思う。ただ、途中で衣装に飽きてしまった。また映える瞬間もあるんだけれど、ファッションショーではないから、ずっと見ていて、さらにそれで動いていても飽きないというのはなかなかプロのオートクチュールのデザイナーにとっては難しいところなのかも?

それでもバレエはPeckのように動きの感じで表現するものもあれば、ミルピエみたいに衣装を含め舞台空間全体を使っての表現も可能で、うーむ、なんて面白いんだ!としみじみ。どれがいい、とかというのではなくて、どれもアリ、ということ。


みっつめは、前衛振付家(とプログラムには書いてありました)Angelin PreljocajのSpectral Evidence。この人は本当にもう天才なんだよなぁ。衣装デザインはTheoryのディレクター、Olivier Theyskens。男性は、牧師を連想させる黒のスーツっぽい上下で髪はピタっとなでつけてある。女性は白いふわっとするワンピースでダンサーによって身体の部位に赤い模様?が入っている。髪はおろしてあるから、男性とは対照的。曲はジョン・ケージなんだけれども、全然ケージっぽくない!ことば、歌、呼吸(電子)という感じ。
http://www.youtube.com/watch?v=hvp8DnoVHys

プレルジョカージュのこの作品はわたしの中では別格。intensityがすごい。素晴らしい作品についてはあまり言葉で説明しても仕方がないといつも思ってしまう。照明はいってから最後までずっとドキドキしていられるくらい。男性陣はときたま入るバレエのボキャブラリーが映える。スーツだけど細身に見える。女性陣と踊ると影みたいにも見える。男女、priestと魔女、logic and instinctという感じ。衣装との関係も相互作用で面白い。人間の根本にあるものが引き出される。作品でソロを踊ったRobert Fairchildが素晴らしい!あんなにいい味出せるダンサーだったっけ?と思ってしまうほど。彼とパ・ド・ドゥを踊っていたTiler Peck(わたしの大のお気に入りのダンサーなのだけど)とのパートナーシップとintensityも素晴らしかった。というか、バレエ・カンパニーでこの作品踊れるってすごい!!


最後は、バランシン振付のWestern Symphony。大好きなこの作品、生で観るのは初めてでこれも楽しみにしていたのだけど楽しかったー!!カウボーイが出てくる、いかにも、アメリカ!なエンターテイメントなバレエ。派手だし、音楽も楽しいし、スピードあるし、本当に楽しい作品。衣装はKarinska。短いチュチュと帽子がとっても可愛い!

バランシンはシリアスな名作もこういうpure entertainmentな名作も作れてしまうって本当に天才、と思いつつ、このバレエ・カンパニーを創設して、新しいバレエを上演する伝統を受け継ぐような精神を育ててくれてありがとう、と心の底から感謝しました。実は、ミルピエも元NYCBのダンサーであり、NYCBのNew York Choreographic Instituteで振付を学んだひとり(ペックもそう)。このInstituteもバランシンの新しいバレエ作品を創って、上演することの精神を受け継いでできたもの。

「伝統と創造」とかいうとありきたりな感じがするのだけど、それをやっていくことはなかなかできるものではない。

NY戻って来れてよかった、と思う瞬間のひとつでした。



*この記録は、わたし個人の感想であって、わたしの所属する大学、コースや団体等は一切関係ありません。

Friday, September 6, 2013

ひとまず授業。

まだあと月曜日が残っていますが、ひとまず一週間を終えて。
どんな授業をやっているかを紹介します。
ちなみに、ABTはAmerican Ballet Theaterの略です。わたしのコースはABTが考案したNational Teaching Curriculum(NTC)をベースにバレエの教授法を学ぶものなので、ABTはいっぱい出てきます。

①アート・マネジメント
ABTの教育部の方々が講師陣となって、NPOのマネジメントについて学んでいきます。ここまで来て、ドラッカーを読んでいます。去年日本で文化マネジメントのコースを取ったけれど、それは概論という感じ(とても面白かった)。こちらはもっと実践向き。どこかで必要になるようなものだろうとは思うけれど、今まで全く触れてこなかったものだし、そもそもNPOが実際どういうものかも分かっていないので、いい機会の新たなるお勉強。講師陣の二人は実際にABTであれこれ切り盛りしてる人たちなので、バレエの現場の人のpoint of viewが分かるのは面白そう。そのうちcity centerのマネジメントやってる人などなどもレクチャーに来てくれるそう。ちなみに、勉強するのはアメリカのことになるので、日本ではまた勝手が違うだろうけど、それはまたそれで勉強です。

②ABTの教授法のクラス
これは週3回の朝10時から1時までの授業で、前半90分はレッスンで後半に理論のレクチャー。まだ始まったばかりなので、どうやってABTがこのカリキュラムを作るに至ったか、なぜこの方法を取ったのか、「選ばれた一握りの人」以外の人も含めたバレエ教育はどうあるべきなのかをプログラムを作った張本人のRaymond Lukensからレクチャーされています。レッスンも彼が教えてくれます。彼がバレエを教わった人はワガノワの直弟子だし、バランシン本人が教えるクラスも受けたこともあるし、チェケッティも勉強して、ヌレエフと一緒に踊っていた経歴の持ち主。「例えば」と例にあげてくれる話がダンサー、そして教師としての実体験からきているものだし、本当にたくさんの(有名な)ダンサーたちを見てきているから説得力があるし、わかりやすい。昨日は、Raymondと一緒にこのプログラムを立ち上げた、ABT付属のバレエ学校Jacqueline Kennedy Onassis (JKO) Schoolの校長のFranco De Vitaの特別レッスン。彼はパリ・オペラ座で訓練を受けて、踊っていたダンサー。バレエに詳しい人でないと、この網羅具合のすごさが分かりにくいかもしれないけれど、とりあえず、今まで世界中で行われていたバレエのあり方を見ていった上で、人間の身体・脳の発達や解剖学など科学的な知見から考案されたプログラムです。レクチャーもだけれど、レッスンもとっても勉強になります。踊ったすぐあとに、話を聞いて、というプロセスでより一層理解が深まる。
あと1ヶ月に1回くらいは、ABT専属のメディカル専門の方が解剖学、動作学、栄養学、などなど、ダンサーの健康に関するレクチャーをしてくれます。バレエ・ダンサーのエキスパートなので、わたしたちダンサーも得るものがあります。

③舞踊教授法・教材
この授業、初回がユダヤ教の新年前日で、ユダヤ教徒の先生なので最初の15分でいなくなってしまい、あまり概要がはっきりしていません笑 が、とにかく教育の理論家たちの本やら論文やらをたくさん読んでディスカッションする、という授業みたいです。デューイとか読みます。もちろんドゥブラーも読みますよ!一番キツいと言われる授業。

④Kaleidoscope Dancers Company
この授業は、実質、ダンス・カンパニーとして機能します。意味がわからないと思いますが、最終的にはNYC各地の小学校から高校までの生徒たちを呼んでパフォーマンスを見せて、ディスカッションして、レッスンをして、ダンスを作って、見せ合いっこする、というワークショップをやるための授業です。コミュニティ・サービスをやっていく授業なので、カンパニーという形態を取っています。今年は、Dance Edの専任の先生以外に、この夏にこのコースを卒業したウガンダ出身のdance educater(彼もフルブライター!)が率いてくれます。ウガンダは東アフリカの国。わたしたちが普段アフリカン・ダンスとして目にするものは西アフリカのもの、あるいは西アフリカにベースしたものが多いので、東は珍しいとのこと。わたしも西アフリカの踊りはやったことあるのだけど(意外だろうけどあるんです!笑)、全然動きの質が違う。子どもたちに教えることになるので、子どものダンスを習ったのですが、歌いながら踊ります。普段踊りながら歌わないし、そもそも歌わないし!!みんなでひーひー言いながら、やっていました笑。でもとっても楽しい。2年目の人たちに「今朝Kaleidoscopeあったんだ」と言ったらみんな「わー!いいなー!!またやりたい。超楽しいよね!」と言っていました。ふふ。

⑤わたしたちも、そして先生もいまいち分かっていない授業 笑
とりあえずNY中のいろいろな資源を使えるように、という授業です。フィールド・ワークに行ったりするみたいですが、全貌いまだわからず。誰も理解していない。そのうち分かると思います。

⑥Laban Movement Analysis
これは月曜日なのでまだだけれど、とりあえずLabanという人が考案した動きの分析法を学びます。考えてみたら以前留学したときにこの理論の授業取ったなと思ったり。でも5年も前の話なので、頑張って思い出します笑

あと11月半ばにMaster's Concertがあるのですが、そのオーディションが明日あるので行ってきます。オーディションといってもそんなコワい感じのではないらしいです。多分コンテンポラリー・バレエの作品になると思うのだけど!

とりあえずこんな感じです。でも2年生には「んー、1月くらいになるまで多分何がどうなってるのかわかんないと思う笑」と言われました。

ひとまず頑張りますが、すでに楽しいです。

Monday, September 2, 2013

introduction

はじめましての方もそうでない方も。

2013年9月からのアメリカはNYCでの留学生活について記していこうと思い、ブログを立ち上げました。

留学先のニューヨーク大学(NYU)についてやわたしの専門、はたまた観劇記録なんかも含めてやっていけたらと思います。また今回の留学は、光栄なことにフルブライト奨学生として送り出してもらっているので、フルブライトのことについても触れていけたらなぁ、とも思っています。もちろん奨学金の存在は確かに大きいのだけれど、それよりも、なによりも、フルブライトを通した出会いの機会が本当に素晴らしいということを知ってもらいたい。

留学先の所属は、長いですが、New York University, Steinhardt School of Culture, Education, and Human DevelopmentのDepartment of Music and Performing Arts Professions (MPAP)のDance Education専攻の中のABT Ballet Pedagogyというコースです。そもそも学部よりも大きいくくりの「学校(school)」がある時点で、大学どれだけ大きいのと思ってしまいます。何を学ぶコースかというとバレエの教授法です。3セメスターのコースなので、2014年の年末には終わります。

軽く今回の留学についてのバックグラウンドを。
この春に日本の大学院で修士課程を終えて、そのまま博士課程に進学しました。今は、休学して、こちらに留学しています。
わたしの専門は、舞踊・舞踊教育で、ひらたく言えば「舞踊の稽古・訓練と人間形成」についての研究をしています。漢字ばっかりで難しそーとわたしが見ても思うのですが、やってることは結構単純です。
この春終わった修論は、上のテーマについての文献研究なのですが、研究を進めるうちに「これについては文献だけじゃなくて、実践がともなわなければダメだなぁ」と気づき、今回の留学に至りました。この留学が終わったら、日本に戻って大学院に復学して、理論と実践をあわせた博士論文を書くというプランです。
わたしの研究テーマについて、それから「舞踊」、「舞踊教育」という学問についてはまた後日詳しく書きます。

さくっと渡米してからの流れをまとめると、まずNashville, Tennesseeでフルブライトのgatewayオリエンテーションなるものが数日間あり(本当に楽しかった!)、それからNYにやってきて、昨日(9月1日)住処となるEast Villageのアパートに入居しました。NYなのに部屋が広い…。ちなみに、以前NYのLong Islandにある州立大学に留学していたのでNYは超ホームとまではいかないけれど、新宿よりはなにがどこにあるかがわかる程度にホームです。(全然参考にならない笑)

というわけで、というか、実は、明日(9月3日)から授業が始まります。
大学のオリエンテーションでほとんどの同期には会ったので、そこまでビビってはいませんが、ドキドキ。

でも、愛する、憧れのNYに住めるということ。しかもNYUでダンスの勉強ができるということ。大好きなNYCBのバレエもたくさん観られるし、大好きな作品がたくさん貯蔵されているMoMAにも行き放題!

これからの1年半が楽しみすぎる!!わーい!!


今日はここでおしまい。:)